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栄誉賞

平成10年度受賞 村上 徹氏

庵治町役場
芸術選奨文部大臣新人賞(美術部門)
五三会栄誉賞をいただいて
村上徹建築設計事務所
村上 徹
 香川県庵治町は四国の最北端に位置し、魚と石の町というキャッチフレーズが良く似合うところです。五剣山から産出される良質の御影石は特に有名で、故イサム・ノグチ氏や流政之氏等のアトリエが有ることでも全国的に知られています。人工7000余人。街は漁港を取り巻く様に平野部分に集中して拡がっています。

 数年前、ここでの新庁舎建設のための設計プロポーザルが施行されることになり、私も参加する機会を与えられました。指名された設計者は6名、四国4県に対岸の岡山と広島県を加え各県1名づつ、全て同世代、そして全員がいわゆるアトリエ派の設計事務所を構えているというユニークな企画でした。庁舎ともなると大手の組織事務所の指名参加というのが国内では一般的ですが、延床面積350m2という規模や、より新しい庁舎のあり方を問う等を考慮に入れた人選であったようです。小さな自治体の町づくりに対する気概を感じました。約1ヶ月という短い時間でまとめた提案書に基づき各々のヒアリングが行われた結果、幸運にも私の事務所の提案書が特定されました。それは建築を設計するというよりは、むしろ新しい環境を創るという考え方を場所の歴史的、地理的条件にあわせ、住民参加型の構成で表現したところが評価されたようです。実施設計では、石庭の中央部分に配置してあった逆円錐形の議場の外壁を、地元産出の石貼り仕上げ等も考慮したあげく、全面ガラス張りで実現させました。悪い冗談ではありませんが、文字通りのガラスばりの政治の場の実現、これは日本で初めての出来事だったようです。内部は円形に配置したテーブルと椅子、それをぐるりと取り巻くスロープのある傍聴席、ここの場所に限っては居眠りもアクビもできません。今の時代、町政の未来について話し合う真意をもつべき空間が必要なのです。

 この一般の住民にも容易に理解できる説得力のある造形美等が評価され、平成8年度(第47回)芸術選奨文部大臣新人賞を戴きました。文化庁より発表された受賞理由には「住宅中心の設計活動で注目されてきたが、この公共建築は、建物の配置計画や細部の処理の面で、モダニズムの合理的手法を着実に継承しながら、他方で、中庭の逆円錐形の議場棟などの表現では、自在に創造力を飛翔させ、切れ味鋭く新鮮な空間を実現し、その結果は傑出している」とありました。

 また、今回の受賞は映画や演劇、音楽、文学、芸能など10部門ある内の美術部門での受賞ということで、絵画や彫刻、工芸、書、写真、デザイン等一般的には美術館や博物館で観られるものと同等に建築物が芸術品として認められ評価を受けたことは大きな喜びです。デザインには難解でその分野の専門家や評論家の解説が不可欠なものが多数ありますが、親しみやすく未知の明瞭な提案が必要なのだと再認識させられました。広島を拠点にして設計活動を始めて20余年にしてはじめての公共建築の設計監理でしたが最良の結果となりました。

 此の度は、このような業績に対して、五三会栄誉賞をいただき光栄に思っています。ありがたく受けさせていただきました。これを励みとし広い視野からの環境づくりに精進し続けたいと考えております。末筆になりましたが、五三会の皆様のご健康と増々のご活躍を期待しております。

(比治山のアトリエに引越す前の庚午にて)
No.25(平成10年版)五三会会報誌より転載