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栄誉賞

平成10年度受賞 新田貴太郎氏

HEART LINKS
JSCA努力賞
私がJSCA賞に応募した訳
(有)構造プラン
新田 貴太郎
 『私共の扱う構造は、鉄も鉄筋もコンクリートも、タイルや石や金属パネルで覆われてしまうと一般社会の人達には見えなくなる、ということで、構造の貢献度は通常、評価の対象外となってきたきらいがある。
 有名なスペインの構造家エドワルド・トロハは「こうした目に見えない後見は心の目で見るべきであり、心に目の無い人には見ることができない」と述べている。しかし、現今の社会で「相手に心の目がない」と沈黙・侮辱・嘲笑の世界に逃避することは正しい生き方ではない、と思われる。そこは是非共、相手に心の目を開いて頂いて理解を深めて頂くことが必要であり、またそれだけの礼をつくした”働きかけ”を怠ってはいけないと言えよう。今回のJSCA賞という顕彰制度の制定も、こうした一般の人々にも見えるもの、理解してもらえるものを設定することに一面の大きい意義があると信じている』
(structure1989.7)

 以上は「JSCA賞顕彰制度発足にあたって」と題して当時の顕彰委員会委員長であった木村俊彦先生が会誌に書かれた一文です。
 私が応募した第7回JSCA賞以前の第1回から第6回迄の受賞作品(A:延面積)、受賞者を抜粋して振り返ってみますと、  以上の様に錚々たる構造家の作品ばかりです。そのような賞に僅か延面積362m2の作品を応募しようとした動機は構造技術の多少の工夫はあるにせよ、テクノロジーからでは到底なかったのです。私が応募した作品は、広島県の北東に位置する総領町に建設したものです。

 この町は田総川をはさんで南と北を山林で囲まれ、この自然の恩恵を生かし、昔は林業、和紙の紙漉き等の産業が盛んでしたが、木材価格の下落、近代製紙の普及により町から転出が相次ぎ、最盛期5000人を超えていた町人口も現在では大半が高齢者の1900人程度となった過疎の町です。その残された高齢者の方々に伝統技術を積極的に生かし、創作活動する施設として誕生した建築が私が応募した作品「ハートリンクス」-「心の輪」です。

 現在、高齢化社会に急激に進んでいる国の縮図のような町で「生きる名人」として高齢者を敬う町の施設は、とかく隠されてしまいがちな、小さな町、小さな建築、されど大きな温かいものが流れているように強く感じた訳です。それは、先に紹介した木村先生の文章の中の「心の目」に通ずるものがあるように思いこれが私が応募した真の動機でもある訳です。

 幸運にも非才の私がJSCA賞(努力賞)を受賞できたのは建築家の北野俊二氏の力量と総領町の町施設が背景にあるように思えます。

 現代は1960年代の建築家Jウォッツオンと構造家O.アロプのシドニーのオペラハウスに代表される構造表現主義の時代を経て、N.フォスター、Rロジャースといった構造表現をデザインの前面に押し出す建築家が台頭している第2の構造表現主義の時代となっているように思いますが、これからも私なりに、デザインというヨコ糸に構造というタテ糸を建築家とのパートナーシップで織りこんでいきたいと思っています。
No.25(平成10年版)五三会会報誌より転載